イライラの正体

イライラは、東洋医学でみると
主に「肝(かん)」の働きと
深く関係しているよ!
東洋医学の「肝」は、西洋医学でいう肝臓そのものだけではなく、
感情のコントロール・気の流れ・自律神経の調整などを担う、とても大切な存在です。
肝の気の流れが悪い場合(肝気鬱結)
肝には、「気の流れをスムーズにする(疏泄作用)」という役割があります。
ストレスや我慢、緊張が続くと、この働きがうまくいかなくなり、
気がスムーズに巡らず、体の中で滞ってしまいます。
この状態を、東洋医学では
「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と呼びます。
肝気鬱結になると、
表には出さないけれど、内側でじわじわイライラする
という状態になりやすいのが特徴です。
具体的には、次のような症状がよくみられます。
・ため息が増える
・緊張が抜けない、リラックスできない
・胸やみぞおちがつかえる感じ
・喉に何か詰まっているような違和感(梅核気)
・お腹の張り、ガスがたまりやすい
・首・肩・背中のこわばり
・こめかみの頭痛
肝の気が逆上すると…
肝気鬱結がさらに強くなると、
今度は気が上へ上へと逆流してしまうことがあります。
これを「肝火上炎(かんかじょうえん)」といい、
・目の充血
・ズキズキする頭痛
・顔のほてり
・血管が切れそうなくらい、激しいイライラ💥
といった、より強い症状が出やすくなります。
また、血や陰(体を潤す力)が不足していると、
肝をうまく抑えられず、
「そこまで激しくはないけれど、
イライラする・目が充血する」
といった「肝陽上亢(かんようじょうこう)」という状態になることもよくあります。
鍼灸coeriの全身施術では、
滞っている肝の気を流し、
逆上した気をやさしく下げることを大切にしています。
ちょっとした豆知識:内風(ないふう)
東洋医学では、ストレスや感情の乱れによって、
体の中に「内風(ないふう)」が生じることがあると考えます。
内風があると、
・風に当たるのが極端に嫌
・クーラーが苦手
・少しの風でも不快に感じる
といった症状が出ることがあります。
最近いらっしゃった患者さまのお子さんでも、
「風がすごく嫌い!」というお話があり、
この内風の状態が関係している可能性を感じました。
補足:最近の研究からみた「イライラ」と脳内物質
近年の研究では、ストレスや慢性的な緊張状態が続くと、
脳内で「安心」や「鎮静」に関わる物質の働きが低下することがわかってきています。
代表的なのが、内因性オピオイド(エンドルフィンなど)です。
内因性オピオイドは、
・痛みをやわらげる
・不安や興奮を抑える
・気持ちを落ち着かせる
といった役割を担っています。
ストレスが続くと、このオピオイド系の働きが弱まり、
本来なら受け流せる刺激にも、
イライラ・不安・緊張として強く反応しやすくなります。
東洋医学でいう「肝の気が滞った状態(肝気鬱結)」は、
このような脳内物質や自律神経のバランスが崩れた状態と、
非常に近い状態と考えることができます。
鍼灸刺激によって、内因性オピオイドやセロトニンなどが分泌され、
心身が自然にゆるみ、気の巡りが整っていくことも、
さまざまな研究で報告されています。
東洋医学の「気を巡らせる」という考え方は、
現代医学的にみると、
脳・神経・ホルモン系を通じた調整として
説明できる部分も増えてきています。
まとめ
人生イライラすることもあるかと思います。
そのイライラとどう付き合っていくかは、あなた次第。
東洋医学、鍼灸の力も借りること、かなりおすすめします!

